トヨタ生産方式を研究し、それを一般化・再体系化した、マサチューセッツ工科大学のジェームズ・P・ウォマック(James P. Womack)、ダニエル・T・ジョーズ(Daniel T. Jones)両名による、リーン生産方式(LPS / lean product system)では上記6Sをさらに、このように分析しています。
- 「選別する」ー材料と道具は必要なものとそうでないものに分類する
- 「整える」ー道具やその他のものを使い易いように配置する
- 「磨く」ー清潔を徹底する
- 「標準化」ー上記の3つを実施するために、いつ何をするかを具体的に示した計画を作る
- 「維持」ー各ステップ実施を、継続的から習慣に変える工夫をする
さて、職種によって必要な道具というものは大きく違ってくるとは思いますが、「私の仕事にはこれが必要だ!」という仕事の相棒を全て書き出したことはありますか?ちなみに私が書き出した結果はこうでした、
パソコン、マウス、マウスパット、電話、電源タップ、手帳、5x3インチカード、iPhone、3段トレイ、文具(4色ペン+鉛筆+製図用シャーペン+蛍光ペン3色+ナイフ)、ホチキス、ゼムクリップ、印鑑、朱肉、精密ドライバー、ピンセット、メンディングテープ、定規(30cmと三角スケール)、カッター(大・小)、カッティングボード、クリップボード、A4裏紙、昼寝用枕、複合機(共用)です。
また、資料の類も、当社 のカタログ、Excel マニュアル本、各種プリンタのドライバCD、MicrosftOfficeのライセンスCD、PCのリカバリーCD、多少の業務マニュアルくらいでした。
これは意外と少なくてイケる!と思ったので、上記を除いたものを、昨年末の仕事納めの時に、すべてダンボールに詰めて倉庫へ隠し、どれだけ困るかどうか1ヶ月ちょっと様子を見ているのですが、今のところ全く困ることはありません。これは「選別する」という作業を終えたと言って良いと思っています。
次に「整える」ですが、先般のエントリー「GTDの網をすり抜ける極小タスクの捌き方」でも書いた通り、自分が快適な環境は現時点ではコレだ!というのを決めていますので、それ以外は引き出しに取りやすいように配置してしまってあるのでOK。
「磨く」については、毎朝私は、自分のデスクを拭き掃除しますし、帰社する際にも乾拭きをしてから帰るようにしているので、クリア。
「標準化」ですが、複合機は共用資産なので別として、私は金曜日の4時30分頃から5時頃までを、これら最低限必要なもののメンテナンスにあてるようにしています。パソコンのキャッシュを消したり、といったところから、ペンのインクの減り具合の確認、ホチキスの針の補充、カッターの刃を折っておくなどを行っています。これは次の「維持」とともに最早習慣なので、これらもクリアでしょう。
つまり、なめらかに日々の仕事を行うにあたり、無駄と障害を特定し、減少させ、排除し、残った必要なものをメンテしていく絶え間ない手順である品質管理手法は、知的品質管理(?)にも十分当てはまる「普遍の仕事の手順」なのだと言えそうだと思うのです。
ジェームズ・P・ウォマックとダニエル・T・ジョーズは、このシステムを維持、向上させる重要な方法として、「どうすれば毎回仕事を、より手際よく、迅速に、簡単にこなせるだろうか?」こう自問して絶え間ない向上に努めることが重要だと述べています。
この言葉って、Lifehackと同じだと思いませんか?@mehoriさんも、@nokibaさんもライフハックとは「小さなことを繰り返すこと」「人間の頭のいい部分と、悪い部分をつなぐ近道」「人生を変えるための小さな習慣」だとおっしゃっています。これは少しづつ手際を良くしていく品質管理と同じじゃないか!?と気づいたわけです。
新しいLifehackを見つけようと身構えると全然思いつきませんが、毎日終わった仕事を少し振り返って、より楽に、簡単に、速くこなせるポイントはないか?と問い続けていれば、ガンガン見つかるかもしれません。それこそ、電話の角度は50°が一番ボタンを速く押せるというのも、MyLifehackでしょうし、私のようにあえてワゴンは使わないことで収納量を減らすというのもMyLifehackといえるでしょう。より少ないキーストロークで文章を書くようにするソフトを使うのもLifehackですね。
少しでも楽できるポイントをワクワク楽しみながら探す。Lifehackも品質管理も、家族を驚かす悪さを考えていた子どもの頃のような感じで、肩肘張らず気楽なスタンスでいる方が良い結果に結びつくのかもしれません。
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