マインドハックス勉強会に行ってきました

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

心理学ジャーナリストであり、先日ご紹介した「1日1箱仕事術」等の著者でもある佐々木正吾さん主催の勉強会、マインドハックス勉強会に行ってきました。


今回で第4回ということなのですが、今回のテーマが【鬱】だったので、これは鬱病キャリアである私にはジャストミート。とにかく行ってみることにしました。


さすがに第4回ともなると常連さん?も多く、始まるまでは正直「こりゃーこの雰囲気に適応するだけで2時間終わっちゃいそうだ」と思っていたのですが、はじまってみると、何と!積極的に質問・発言している自分がいてビックリでした。(あとで考えるとうざかったか?と不安ですが・・)


心理学+脳科学(多岐にわたる)+認知科学(これも多岐の理論にまたがる)を絶妙な配分でミックスしながら、とにかく取っ付きづらい「脳の中で何が起こっているのか?」という科学的分野と「精神とは何だ?」という下手をすると宗教に行きかねない分野を学問という架け橋でつなぎ、非常に理解がしやすかったです。以下メモからピックアップ!


A:ストレスに接したとき扁桃体が刺激を受け、HPA系が反応し、ストレスホルモンであるコルチゾールを分泌させる。これが身体(心臓など)に「戦うか・逃げるか」という生存に関わるような緊張を強いる、

B:この臨戦態勢がずーっと続くとさすがに身体がダウンしてしまうので、海馬からHPA系に「ちょっと待て」とストップさせる信号が出される。

C:これが上手く機能していれば問題ないが、慢性的なストレスにさらされていると「海馬の機能が低下する」「海馬はフル活動しているが追いつかない」というエヴァンゲリオンの活動限界&暴走みたいなことがおこる。

D: 海馬の機能が低下するとセロトニンも減少するそのため、SSRI系のクスリでセロトニンを多く脳内に残してあげるという治療法がある。私も処方されてます。脳内に余ったセロトニンが何をしでかすかは不明。

E:不安はストレスを過剰に強化した状態・鬱はストレスに過剰に適応した状態(学習性無気力)と、この二つは異なる

F:脳内物質の比率は通常一定だが、これが偏ってしまった状態。脳のボリュームを変化させているというイメージ。

G:脳に関する病は「完治」ではなく「寛解」というのは100%元に戻ることはないから。ショック。

H:記憶を司る海馬が機能不全もしくはオーバーワーク状態にあることで疾患が起こるというのはフロイト理論でいうところの無意識の記憶という部分と相関関係があるような気がしないでもない(科学的根拠なしというか不明)

I:対人関係ハックとしては「キツイときは信頼できる人といっしょにいる」「ムリな人は避ける」「完璧は目指さない」などがあがりました。

J:佐々木流ハック【成功は自分の実力のおかげ、失敗は運のせい」とあえて考えるクセをつけて、過度に自分を追い込むのを避ける


※J補足 下図のマトリックスが提示されました。

 努力が偶然なのは続けられるかどうかは未知数だから。


    |  自分の外  |  自分の内

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 偶然 |   運    |   努力

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 必然 |   難易度   |   能力


いろいろ印象的なことは多かったのですが、中でもすぐに取り入れようと思ったのが、Lifehacking.jpの堀さんが実践されている「ユビキタス・キャプチャー」です。堀さんのご著書でその存在・考え方は知っていたのですが、まず何よりも実際に堀さんが書かれている実物を見られたこと。(もうちょっと細かく使い方聞いておけば良かった・・・)良いこと悪いこと関係なく記憶を自分の脳の外に吐き出すだけでも楽だということ。また、折りにふれて記憶を引き出せることにより心のバランスを保ちやすいとのこと。曰く「残酷な世界に立ち向かう唯一の方法だと思っている。自分自身で壮大な実験をしているんですよ」とのことでした。


脳って自分がイメージしていたよりずっと複雑でずっと繊細な活動をしているとにかく不明なことだらけな器官でした。この繊細なのに頑張っているヤツを少しでも楽にできる習慣が「ユビキタス・キャプチャー」なんだと思いました。さっそく翌日から実践中です。とにかく同僚からもうざがられるくらいメモしてまして、「こんなに色々考えてたの!?そりゃー大変なはずだよ」と考えている(た)量を客観的に把握できているのが現時点での効果です。書き込むたびに「お疲れ様」って脳みそに声をかけたくなる感じですらあります。


今回が特別だったのかどうかはわかりませんが、他の参加者の現在の状況、克服中の道のりなどを聞くこともできてとても勉強になりました。

この手の病気はとかく話せる場所がありません。また理解してくれる人も非常に少ないのが現状です。佐々木さんは「病気を自分の手に取り返す」とおっしゃっておられましたが、私は「この病気は私の個性です」と主張するようにしています。いずれにせよ、こういった場に参加できるようになった自分をちょっと褒めると共に、色んな方とお話ができて本当に安心できた、ホッとできた勉強会でした。



あなたにとって『成功』って何ですか?

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
昨日の昼間、同僚が「オレは将来起業して、成功者になりたいんだ!」と熱く語っていたのを聞いていて、ハタと思ったわけです。『成功』って何なんだろう?って。同僚の言う『成功』というのはどうやらお金持ちというかセレブってことみたいなんですけど、私にとって『成功』とは何ぞやと考え込んでしまいました。

バリバリの家庭崩壊の中で育ったもので、大学を卒業し就職した時の私の成功の定義は「円満な自分の家庭を持つこと」でした。この成功は就職2年目に叶いました。"円満な"という部分も何とかクリアしています(笑)育った環境とは違う理想的な家庭を持つに至り、そこから『成功』というものを考えなくなったみたいです。

成功って夢とか目標とかと近しい言葉だと思うんです。だとすると「今叶っていない、もしくは満足できていないことが叶った・満足した状態」になれば「成功」ということになります。そこで不満に思っていることを考えてみます。

家庭=これは満足ですな。叶ってます。

会社=小さい会社ですが今の会社は大好きです。

仕事=仕事内容も不満なし。 

地位=別に肩書きを求めて仕事してないから不要。

名誉=これも欲しいとは思わない。

収入=あるに超したことはないけど、今でも十分生活できている。

健康=病気だけど投薬で治るものだし気をつければ良いもの。

人間関係=病気を機に嫌な人とは縁を切ったし、会社の人はみんな好き。

うーん、特に大きな不満というのがないんですよ。お金はね、確かに多く欲しいとは思いますけどTVのセレブタレントさんの生活がしたいと思ったことはありません。何というか「他人が羨むような人生を手に入れる!」みたいな野心というのがないようです。

今日、色々考えた結論としては、先に頂上を決めて登り始めるのではなく、登りながら頂上を決めたっていいじゃないかとなります。どの山に登っているのかは分かりませんが、登りながら薄ぼんやり見えてきたところが頂上=ゴール=成功だったとしてもいいんじゃないかと。登っている限り成長はしているはずだから、直線ルートじゃなくてもいいんじゃないの?と考えたのですが、どうでしょうかね??

一日の仕事に「フタ」をしよう

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
超久しぶりの更新になってしまいました。別にこの間、何にもしていなかったわけではありませんよ(笑)

今日取り上げる書籍は佐々木正悟さんの新刊「残業ゼロの1日1箱仕事術」です。

前にも書きましたが、病気になって以来、他人より体力が圧倒的になくなっているのと、私の性格上、必要以上に仕事を受けてしまいがちなこと、さらには仕事漬けのままでいると病気の悪化に繋がりかねないので、仕事量の調節というのは私にとっては、仕事をする上でウェイトの重いテーマでもあります。そのため、この本はジャストミートでした。

題名にもあるとおり「箱」という考え方がシンプル且つ汎用性のあるフレームワークです。ついつい仕事を振られると「YES」と返事をしてしまいがちですが、自分の1日の仕事量を「箱」に入るものだけに限って、フタをしてしまえば、それ以上入れたくても入れられないわけです。

さっそく会社で実践するにあたり、(この本では本当の箱を用意するわけではないと書かれていますが)本当にちっちゃな箱を用意して「私の1日のキャパシティ」というテプラシールを貼り、フタの表面には同じくシールで「今日はこれで精一杯」というシールを貼ってみました。それを机の3段トレイの一番上(つまりGTDで言うところのINBOX)にちょこんと置いておき、その日にやることをその箱に入るだけに限定してみました。ちなみにこの箱ですが、ロディアのNo.11サイズと同じくらいの大きさ・高さのものです。

上司や同僚が「コレ頼める〜?」と言ってきても箱に入る量しかできないと決めているので、箱を指さしながら「明日以降で良いですか?」と言うと納得を得やすくなりましたし、1日の仕事量が本当に目に見える量になっているので、気分が楽になったというのが実感です。

また、「やる気」というものは有限で起きてから寝るまで、その有限のリソースを上手く割り振っていく必要があるという指摘も目から鱗でした。しかもこの「やる気」はストレスを受けると減っていくと言います。P165の一節、

=私たち人間は、精神的ストレスを受けたことがわかっているのにもかかわらず、何度も同じ場所に行かなくてはいけない。職場には嫌でも毎日行かなくてはならないわけです=

というのも、スゴイ説得力がありました。これを逆に捉えれば、職場が快適な場所であれば、精神的ストレスは軽減されるはずということになります。その為に仕事量を自分のキャパシティ内に押さえてコントロールすることによって「仕事」そのものに対するストレスを減らし、後は職場でのコックピットたる自分のデスクや、その周囲(人間関係も含めて)を快適なものに変えていけばよいのだというのが分かったのが本書から得た最大の学びでした。読みやすい上に色々な気づきが得られる一冊です。仕事量にあっぷあっぷしてたり、押しつぶされそうになっている人にはうってつけだと思います。