働"ける"幸せ、働"ける"喜び

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働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~という本を読み終わりました。イロイロ考えさせられる内容だったので、書いておくことにしました。この本は知的障害者が社員の7割という会社「日本理化学工業株式会社」の会長、大山泰弘氏の著作です。

読了後、最初に浮かんだのは妹の顔でした。先般のエントリーに書いたとおり、私の妹は子どもと共に殺害されてしまっているのですが、出生からして壮絶でして、自然分娩が上手く行かず、急遽帝王切開に切り替えてこの世に生を受けたものの、切り替えるタイミングが遅すぎて脳に十分な酸素が行かず、新生児ICUで生きるか死ぬかの瀬戸際を1ヶ月半ほど彷徨い、何とか生還したものの、軽度の知的障害というハンデを背負ってしまっていました。

妹は客観的に見ても普通の女の子よりも大分良い器量の子でしたし(無名塾の仲代達矢氏の奥様から直々にスカウトされたこともあります)自分がハンデを背負っているせいか、回りにはとても優しい子でした。

しかし、知的障害というのは如何ともしがたく、特に記憶力には普通の人と比べて大幅な遅れがあり、また段取りが出来ないため、チームプレーも苦手でした。コミュニケーションに関しても壮絶なイジメにあったことも影響してか、大人になっても感情の表現方法がヘタで極端に上下にぶれる子でもありました。

そんな妹が、最初に働いたのは確かコンビニでした。母が面接について行き事情を説明した上、レジには触らないこと。接客でわからないことがあったら必ず回りの人を呼ぶこと。給料は通常支給の7割という条件で、何とか得た仕事でした。
やることは遅いけれども真面目に取り組む妹は毎日頑張って、最初のお給料をもらってきました。満面の笑みを浮かべて、どこか誇らしげに明細を見せた妹に「やったな!すげーな!できるじゃん!」と頭をガシガシなでながら褒めた覚えがあります。

その後、職を転々としたものの、ヘルパーの職を得て、そこでひたすら真面目に働いていました。私は妹の仕事ぶりを見たことはないのですが、家内は妹の仕事ぶりを見たことがあります。家内と妹で末期ガンの祖父の面倒を見てもらうことが半日だけあったのですが、普通の女の子なら嫌がるであろう、祖父の下の世話も別に嫌がるでもなく当たり前のこととしてこなし、恥ずかしがる祖父を「いーからいーから」と言って身体を拭いてあげたり、それはそれは献身的に愛情を込めて行う姿に感動した、すごいすごいよ!と連呼してました。

生前妹がこういっていました「働ければお金がもらえるでしょ。お金がもらえれば助けてもらうばかりではなくなるでしょ。助けてあげられるんだよ。●●(弟の名)にプレゼントもできるんだよ!すごいでしょ?お兄ちゃん!」

この本では、人間の幸せは以下の4つだと説いています。
  1. 人に愛されること
  2. 人にほめられること
  3. 人の役に立つこと
  4. 人から必要とされること
そして働くこととは人間の幸せを実現するものであり、それはつまりその字の通り「人の為に動くこと」だと説いています。
注目すべきは、「お金」には一切触れていない点です。あくまでも「人との繋がりの中」に幸せはあるとなっています。

きっと壮絶なイジメを乗り越え、人にバカにされ、蔑まれながらも歯を食いしばって生きてきた妹はこの境地に居たんだろうなと思います。

私も鬱病になって、「朝、起きること」と「今日、死なないこと」「1週間に1回は必ず病院に行くこと」の3つしかできない事態を経て、そこそこ真っ当に働けるようになった今、バイトでお給料をもらってきたときの妹の喜びがようやく分かると言えるようになったと思います。「働く喜び」という言葉は耳にしますが「働ける喜び」というのも間違いなくあります。

普通に新卒採用されて、波風はあるけど、何とか無事に過ごしていると、このことに気づく機会はまずないでしょう。働いていることが当たり前の状態では、なかなか「働けることそのこと自体がすでに喜びなんだ」というのは理解しがたいと思いますが。

参考までに今の私の仕事に対する基本姿勢を書くと、それは「同僚の為に動く」ことです。休職中に8割もの給料を支給してくれた会社、その会社でその給料を捻出できるだけの利益を稼いでいてくれた同僚には感謝したりないものがあります。故に、やればみんなが楽になることや、みんながめんどくさがることを積極的にやるようにしています。これが結果「助かった〜!」と感謝されたり、「アイツがいるから大丈夫」と言ってもらえたり、「これは任せる!」と必要とされたりということに繋がっています。この本の説く人間の幸せの内3つは既に叶っています。人に愛されるという部分は(おそらく、きっと・・・)家内が賄ってくれているでしょう。「なーんだ、オレって幸せじゃん」と気づけたことは、鬱病を経験して良かったと言っても良いことなのかもしれません。

また、賃金の多寡以外の部分で仕事を見直すことも必要ではないかと感じます。いい加減、金儲けの螺旋から降りても良いのかなとも。お金は大事ですが、あまりそこばかり強調されるのはもういいんじゃないかなと。年収10倍は魅力的ですし、宝くじに当たる夢をみるのも楽しいですが、真っ当に働けて、真っ当にお金を稼げて、真っ当に生きていければそれで十分と、どこかで「足るを知」らないといけないのではないかと思います。何しろ人の幸せにお金の多寡は入っていないのですから、それでも良いのでは?と思った次第です。

妹は改めて凄かったんだなぁと思うと共に、妹の苦労を考えると、日本国政府はもうちょっと知的障害者や働けるけど病気の人に目を向けて欲しいものだと思います。
何しろ日本は憲法でこう規定している国なんですから。
  • すべての国民の「生命、自由及び幸福追求に対する権利」(13条)「勤労の権利」(27条)「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(25条)を保証する。
何だかとりとめのない、暗い話しになっちゃいましたが、「お彼岸だしな」ということで勘弁してやって下さい。

お客様の視点は『掃除』で会得できる!

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『オフィスは城、社員は兵』という標語があるのかは知りませんが、会社を人生修行の場ととらえる経営者は多いように思えます。有名な経営者の自伝的な著書を読むと、オフィス(仕事場)を大事に扱っている姿が垣間見えます。

私が勤めている会社の社長も同じような価値観の持ち主でして、毎朝社員が当番制でオフィスの掃除とトイレ掃除をしています。仕事中もちょっと落ちてたホッチキスの針を拾ったり、紙くずを拾ったりという姿は当たり前の会社です。そんな価値観の会社なので、個人の机の上や、収納が綺麗かどうかは置いておいて、少なくともオフィスの床と、トイレは非常に綺麗な状態をキープしてます。来社されるお客様が一様に驚かれる部分でもあり、密かな自慢でもあったりします。

たまたま今日来社された協力会社の役員さんと整理整頓の話しになったので、掃除はどうされているか聞いたところやはり、自分たちでやっているとのこと。その理由を聞くと、

「オフィスを掃除させれば、仕事が出来るか出来ないかすぐ分かる。簡単な掃除一つ満足に出来ない人に、複雑な仕事が出来るはずがない」

というのがその会社の社長さんの持論とのことでした。

腕の良い職人さんに教わった仕事の極意 "あれ?メモ" でも書いた通り、仕事の出来る職人さんの職場は整理整頓が行き届いていましたから、整理整頓はオフィスワーカーの仕事の善し悪しを計る目安にもなるのかもしれません。掃除が嫌いな人=机回りが乱雑=仕事が雑という感じで関連性があるようにも思えます。が、この話には私はもっと根本的なものがあるように感じました。

そもそもオフィスを綺麗にしておこうと思った時点で"来社される他人の目"を意識しているとも言えます。この他人は協力会社の人かもしれませんし、お客様かもしれません。いずれにせよ"他社の人"です。つまり日頃掃除をするということは、常に"他社の人"の視点を意識することにも繋がるのではないかと思ったのです。

よく「お客様の視点で考えろ」と耳にしますが、掃除ひとつでお客様の視点でオフィスを見ることができるわけです。「これで他社の人に綺麗だなと思ってもらえるか」「これで他社の人に気持ち良くトイレを使っていただけるか」そんな風に考えて掃除ができればベストでしょう。それこそ「掃除ひとつで来社した方にあの会社はすごいと感動を与えてやる!」と思えたとしたら極めたとも言えるかもしれません。

常日頃、掃除を通して"他社の人の目"を意識する機会を増やすことによって、お客様の視点で自分の仕事を見ることもスムーズにできるようになり、最終的に"複雑な"仕事の善し悪しに関係してくることになるのではないでしょうか?

"簡単な"掃除(仕事)をバカにせず、真摯な姿勢で臨むことができれば、人生が好転するきっかけにさえなるかもしれないな、そんな風に思いました。明日当番だから頑張ろうっと(^^)/

※画像をルンバにしたのは、別に楽をしたいと思っているわけではないですよ〜(笑)

ビジネスパーソンが明石家さんまさんを目指す危険性

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注1:佐々木さんが明石家さんまさんの例をあげたワケではありません。
注2:私はさんまさんのファンですので、悪意はありません。

8月25日に佐々木正吾さん主催の「第6回マインドハックス研究会」に参加してきました。第4回から参加していますが、毎回非常に大きな気づきが得られるセミナーです。しかし今回は”衝撃”と言っていい気づきが得られたので、それについて書こうと思います。

第6回のテーマは「やる気」でした。「やる気がある」というのはどういうことなのか、やる気を出す為のハックについて行動科学、認知療法、深層心理学らの理論的な背景を交えつつ身近な例を挙げて説明していただきました。これ自体、相当勉強になったのですが、”衝撃”はその後にありました。

やる気ハックの次のアジェンダが「軽そう状態」だったのです。

軽そう状態とは字のとおり、「軽い躁状態」のことです。鬱についてはメディアでも見かけることが多くなりましたが、躁についてはあまり見ません。
私も躁ではないので、躁のことは良く分かりません。しかし完全に躁な状態の人と病院で会ったことはあります。めっちゃくちゃ真顔で「僕は空が飛べるんだよ。空を飛ぶのは気持ちいいよー」とか「船は本来、海じゃなくて宇宙に行くための乗り物だ」とか「自分が世界を創造した」とか言いますし、常に自信満々でハイテンションな感じです。気持ち悪いくらい常に笑顔というか恍惚の表情のままの人もいました。これらの軽い状態が「軽そう状態」とイメージすればひとまず良いのだと思います。

問題は「軽そう状態」は自己効力感が上昇し行動意欲も増進するため、やたらとやる気が高いレベルで持続し、生産性が上がり、現代社会が求める理想のビジネスパーソンに見えてしまうことなのです。

現代社会が求める理想的なスーパービジネスパーソンはバブルの頃の「24時間働けますか」がベースで、さらに今では「24時間で48時間分以上の生産を上げるられる人」ような気がします。だから、やる気を出す、生産性を上げる、モチベーションを上げる、効率を上げる等がキーワードになっているビジネス書が多いし、それが多くのビジネスパーソンに求められるのだと思います。

ここで一人、現代社会が求めるスーパービジネスパーソンの条件にがっつり当てはまっている人が思いつきました。そう誰もが知ってる「明石家さんま」さんです。さんまさんの仕事は「しゃべる」ことです。彼は仕事場で常に200%しゃべくり倒し、番組が終わっても、プライベートの時間でも寝る間も惜しんでしゃべくり倒していると言います。まさに仕事で高い生産性を上げ、それを持続し、プライベートも何も関係なく、話芸を追求しているわけです。これを見上げたプロ根性と捉えることもできるのでしょうが、これは果たして正常なのでしょうか?

セミナーで佐々木さんは「急に生産性が上がったり、いつもよりやる気が高まっているような状態が続いたとしたら、それは実は『軽そう』状態の疑いがある」と指摘し警鐘を鳴らされました。軽そうは双極II型障害に分類されるので、それは『鬱』につながる可能性もある為、十分に気をつけなければならないのだと。

私の場合、意識的にゾーンに入れる時があります。特に細かい作業(ナノレベルの精度が求められる作業)などをしている時はその頻度が高く、心の中で「ゾーン」と言えば入れるくらいな時さえあります。しかしゾーンに入って無茶苦茶なスピードで生産性が上がった後の反動はヒドイもので、全く動けなくなります。一気に鬱に行きそうになります。佐々木さんが指摘しているのはまさにこの状態のことだと思い至り、本当に”衝撃”的な指摘でした。

もしこの記事を読んでくれたあなたが、常に全力を超えて200%で仕事して、200%やる気を出し、それを常にキープしている「明石家さんまさん状態」を目指しているのだとしたら、これは明らかにおかしなことなのです。人間「やる気がないときがある」というのが正常で、常に最高レベルのやる気をキープ出来るなんてのはおかしいのです。やる気が起きなくて困っている。やる気を起こす方法はないものか。やる気を持続させる方法はないのか、みんなこういうことで悩んでいると思いますし、それに対する解を扱った書籍も多いですが、過度に求め続けると、その先に待っているのは「病気」という現実かもしれません。

あんまり調子が良すぎるようなら要注意!意識的に休憩を取るくらいが実は丁度良いのかもしれません。実はこれこそ今必要な「やる気Hack」なのかもしれませんね。

結婚して良い相手かどうかを見極めるHack

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大注目で大人気のブログ「Hacks for Creative Life!」のBeckさんがご結婚されたとのことで、「幸せな家庭を築くhackを編み出さねば・・」とTwitterでつぶやいておられました。

私は一応来年で結婚10年目に突入するくらいには添い遂げておりますので、20台の若者達から「kazumotoさん、奥さんと結婚する決心をした決め手はなんですか?」なんぞと相談を受けたりします。ここでそんな数々の悩める若人たちを救ってきた「結婚して良い相手かどうかを見極めるHack」を公開してみようと思います。

離婚原因の第一位を調べてみると、男性女性とも「性格の不一致」が一位のようです(参考はコチラ)。性格が合うか合わないかを事前に見極められれば少なくとも離婚することなく一生添い遂げることができそうです。
しかし性格って結婚する時は絶対合っていたはずなんですよ。じゃなきゃ結婚しようなんて思わないでしょう?でも「だんだんズレてくる」というのが問題だと私は考えています。ですので、以下のHackは後々大きな問題になりがちな「ズレの芽」を確認することに主眼を置いています。

Hack1:大型の家具屋でデートすべし

大塚家具などがベストだと思うのですが、安価なものから高価なものまで並べてあり、イロイロなインテリアのテーマが揃っているところが良いと思います。
なんで、家具屋なのか?理由は二つ。一つ目は金銭感覚が自分と近いかどうかがわかるから。自分が「高い!」と思う家具を相手は「安い!」と言ったり、その逆があったりして、大凡相手のモノに対する価値判断基準と自分の基準のギャップが見極められるのです。お金の基準が違うと後々トラブルの元になります。
二つ目はこれからずーっと一緒に暮らしていく以上、家の中の空間はお互いに納得してリラックスできる空間でないとトラブルの元になりがちです。自分はシックなインテリアが好きなのに、相手が思いっきり花柄大好きッ子だったりしたら絶対に合いません。いずれ衝突することになること請け合いです。
好きなモノと金銭感覚。この2つが家具屋でデートすることで把握出来ます。

Hack2:安い居酒屋レベルの店から高級店まで5段階くらいの店で食事をすべし

まず、安い居酒屋レベルであればみんなでワイワイというシーンが想定されます。ここで相手が男性であれ、女性であれ、大皿を自然と取り分けるようなタイプであれば合格点。気遣いができる人だったら結婚相手としては基本的に問題なしです。
しかしそれでも高級なお店に行けという理由は、居酒屋レベルではOKな人でも、高級店となると突然お店の人に「高額な料金を払っているんだからサービスされて当たり前だ」的な傲慢な態度を取る人がいるからです。サービスに感謝するという謙虚な姿勢がない人はNGです。この傲慢な態度を取るのが男性だった場合、相手の女性は結婚後、料理をしても洗濯をしても感謝してくれることはないでしょう。最後には「私はあなたのママじゃないの!」とキレること請け合いです。
また、食事の仕方にはその人の品みたいなものが現れます。すごい素敵な人でもまともにお箸が持てない人は多分、ご両親は良い顔をしないでしょうし、クチャクチャ音を立てて食べるなんざ、生理的に許せん!という事態にもなります。
最低でも懐石料理で和食のマナーとイタリアン(若しくはフレンチ)で洋食のマナーを計っておいてからご両親に紹介することをオススメします。
このように、いくつかのレベルのお店で食事をすることで、その人の人柄から素養まで見通すことができます。場にふさわしい装いができるかとかもね。

恋愛中はあばたもえくぼ状態ですが、結婚後は小さいことがだんだんと気になってくるものです。本気で結婚を考えているのであれば最低この2つのHackを実践されることをオススメします。まぁ小さな親切余計なお世話かもしれませんが、このHackを紹介した若人からは感謝こそされ、悪く言われたことはないので、おそらく間違いないHackだと思いますよ!

モノ選びの座標軸を決める効果

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職人さんの現場にお邪魔して打ち合わせをしている時に、ふと棚に同じメーカーの同じ種類の精密ドライバーが大人買いしてあるのを見つけました。何でまたこんなに?という思いを抑えきれず、お聞きしたところ発見のある会話となりました。

「なんでこんなに買いだめしてあるんですか?」
「ドライバーなんてどれも同じと思うでしょ?でも微妙に使い心地が違うんだよ。だから自分に一番しっくりきたヤツを買ってあるんだ」
「それはわかるんですけど、何でこんなに・・・」
「知らないうちにさ、すこーしメーカーさんが変えちゃうみたいなんだよ。先端の角度とかね。道具は手の延長だからね。自分の手が知らない間に変わったら嫌だろ?」
「なるほどそうなんですか!そういえば●●というメーカーから先が丸くなってて色で判断できる精密ドライバーを出してましたよ」
「あー、知ってる。でもダメだな。あれは。」
「?何でですか?」
「いくつか理由はあるけど、一つ目はね。俺らが精密ドライバーを無造作に普通のペン立てに差しておくと思うか?そんなことしたら先端が簡単になめちゃうよ。立てるなら専用のヤツを使うね。それとあれ磁力付いてないだろ?磁力付きのものじゃないと効率が落ちるんだよ。だからダメ。要はね自分の手になれるかどうかなんだよ。他人の手だったら使いにくいぜ〜きっと(笑)」

この短い会話の中で私が腹の底からなるほどと思ったのは「道具は自分の手である」という部分と「見てくれより使い勝手」ということでした。この話しのあと一冊の本がアタマの書棚から引っ張り出されてきました。昨日の記事で私が(意外にも?)アウトドア野郎であることは告白した次第ですが、アウトドアの世界で僕の中には何人か憧れの人(一部の人は神の領域)が居ます。その憧れの人の一人、ホーボージュンさんの著書に「実戦主義道具学」というものがあります。

この本に登場する40点の道具たちは、すべて僕の私物である。何十回、何百回と現場に持ち出し、使い、使い、使い、使い倒して、「これぞ最高の道具だ」と、確信したものばかり

実戦で使える道具に対する愛情溢れる文章は本当に道具好きにしたらたまらないものがありますので、アウトドアが好きでない方にも読んでもらいたいと思います。

それはさておき、最近の「モノを減らそう」というムーブメント?を行う上で逆説的ですが、”モノ選びの座標軸”を決めておくことは重要だと思ったのです。
ホーボーさんの場合は「基準はサハラで使えるか」ですし、職人さんの場合「自分の手になれるかどうか」です。

じゃぁ、私は?
アウトドアグッズに関しては、ホーボーさんほど厳しい基準ではないものの「手入れをしていれば長期間使えるタフな道具」が私の基準です。私と同い年のコールマンのランタンなんてその代表格でしょうか。(実戦主義道具学の表紙と同型のランタンです)

職場で使っている物に明確な基準があるかと問われたらちょっと困ります。モノ作りに関わる以外の部分はありモノで間に合わせてます。イカン!

自宅は?自宅には色んなものがあります。洋服やらタオルやら、食器やら白物家電やら・・・これらを購入する際に明確な基準があったかと言われたら、ほぼ100%その場のノリで購入した物だらけです・・・

使うか使わないかという基準で減らすことも有効なんだと思います。でも例えば普段使わない喪服を捨てられるかと言われたら捨てられないですよね?となれば、使うか使わないかという基準だけでは減らせないという可能性があるのだと思います。じゃぁ、普遍的な基準なんてあるのかと言われればそれは私にはわかりませんが、とりあえず私は減らすとは逆の座標軸「使用するシーンで100%の性能を発揮できるもののみを残す」を採用することにしました。

先の喪服の例で言えば、お通夜の際に失礼のないデザイン、サイズであれば残しておいてOK。失礼になる場合は廃棄となります。

購入するときも使用するシーンを想定して、そのシーンに100%合うものであれば購入。すでに持っていたりしたら一旦ペンディング(良く言われる30日ルール適用)合わなかったら買わないと選択することができるようになると思います。

本番で使えないモノは結局は使えないモノだと思います。想定される本番で100%使えるものだけ残して、それをきちんとメンテナンスするようにしていけば減らす際も、購入する際もブレずに済むのではないかと思います。

減らすことばかりに目がいきがちですが、買うところに座標軸というフィルターをかけて進入を防ぐのも効果的かもしれません。

今やるべきことが決まりました!

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8月27日から2泊3日で携帯電話の電波も届かない山奥でキャンプ生活を送っていました。実はカブスカウト、ボーイスカウト、シニアスカウトなどをやっていたこともあって、アウトドア大好きなんです。キャンプであればワンコと一緒に遊べますしね。鬱病がヒドイ状況だった頃は好きなキャンプも登山も行く気になれなかったのですが、ようやく約2年ぶりに行ってきました。


ちょうど出発当日に佐々木正悟さんのブログ「佐々木正悟のライフハックス心理学」で「水を打ったように静まりかえった空間で15分たたずむ」という記事がUPされたこともあり、朝は早く起きてキーンと澄んだ空気の中で池の畔に座って、夜は風の音しかしない静寂の中で焚き火の揺らめく炎を見ながら、一人でイロイロ考えてみました。


メインテーマは「これから何をするべきなのか」「これから何ができるのか」でした。


一日中考え抜いた結果、何に頑張らなければいけないのかは以下の2点に集約されました。


●妻・・・やはり最重要項目。彼女が幸せだと思えるように頑張る。

●会社・・・鬱病の私を見放さずにいてくれたことは感謝したりない。支えてくれた同僚の役に立つことには全力を尽くす。


会社の方は何をするべきかも何ができるかもある程度明確です。今は営業ではなく裏方仕事ですので、とにかく同僚が仕事をし易い環境を整えることに全力を尽くそうと思います。メンドクサイ仕事とかも積極的に請け負って片付けるようにして、アイツが居て助かったと言ってもらえるように頑張ろうと思います。


一方の妻の方は直球で「どうなったら幸せだと思うか?」と聞いたところ


1.健康であること(お互いに)

2.お腹が空かないこと

3.いっぱい笑っていられること

4.たまに贅沢な食事や旅行ができること

5.欲しいと思った洋服や靴やバックが買えること


でした。どうやら私自身が健康でいることがまず第一で、次に頑張って仕事してお金を稼いできて、余裕を持って生活できて、笑顔でいられればOKのようです。


となれば、今やるべきことは「健康になる!」なので、長年の悪癖と決別することにしました。


長々書いてきた結論は・・・そう、


「禁煙します(笑)」


ええ、2009年8月31日を持って私はタバコを止めましたよ。というかこれを書いている現在も止めてますよ。スゲー苦しいですよ。でも頑張りますよ。何かしていないとヤバそうだったし、追い込み効果も狙って書いちゃってますよ。


今の私のスローガンは「JTは敵だ」です。これが「JTは素敵だ」に変わらないように頑張りますよ〜。まずはコンビニに入らないようにして、タバコを買えないように習慣を修正してます。でもマンション出てすぐ隣がコンビニなんだなぁコレが(笑)がんばるぞー!!