今も多くの職人さんの協力を得て、一つの製品を作っていくので、工場だったり現場だったりを伺うことがあります。
そんな職歴でして、本当に多くの職人さんと一緒に仕事をしてきたのですが、以前、同仕様の製品をお願いしに2つの会社に訪問した結果、うすうす感じていた「腕の良い職人さんの見分け方」に確信が持てました。それは・・・
『腕の良い職人さんの職場は整理整頓が行き届いていて、全ての道具のメンテナンスが完璧である』
どうも仕事がおかしいと思っていた職人さんの仕事道具は錆び付いていたり、ミスが多いなぁと思っていた職人さんの作業台の上は仕掛品で埋まっていたりしてました。オフィスの内装の時もダメな職人さんは先がナメてしまっているような電動ドライバーを使ったりしてましたし、仕事が遅い職人さんは指示図面をグシャグシャの状態でポケットに突っ込んでたりしました。
逆にいつも正確な仕事を仕上げる職人さんは思わず唸ってしまうくらい、使いやすいように道具の配置にこだわっていたり、作業台の上は広々して、一つの作業が終わるとサッと掃除ができるように掃除道具も配置されています。オフィス内装の時もすぐに必要な部品がサッと出てきたり、まるで流れるように仕事をしていたという記憶があります。
そんな経験から「整理整頓&道具のメンテナンス」と「腕の善し悪し=仕事の精度」は密接な関係があると感じます。
そんなの当たり前だと思いますよね?でもコレって自分に置き換えてみたらどうでしょうか?
いつも使っている手帳やノート、筆記用具、鞄、靴、スーツ、自分のデスク・・・必要なときに100%の性能が出せるようにメンテナンスしてると言い切れますか?
たとえば使おうとしたカッターの刃が錆びたり、メモろうと思って取り出したボールペンが書けなかったり、お客さんの前で鞄の中からモノを取ろうとしたら、いつのだかわからないレシートが出てきてしまったり、セロテープを探してオフィス内をウロウロしたり・・・そんな事に心あたりありませんか?
整理整頓というのは仕事術の中でも基本だと思いますが、その基本を徹底し常に改善するポイントが無いか、意識し続けることはとても難しいことだと思います。
腕の良い職人さんにその「意識し続ける極意」を尋ねたところ、
「普通サラッと流してしまう「あれ?ない!」とか「あれ?おかしいな?」と思ったところが改善すべきポイントなんだよね〜」とのこと。
その職人さんは「あれ?」と思ったらどんなに作業が山場であっても、すぐメモして、1日の中で起こった「あれ?」を帰社前に読み直すのだそうです。そして1ヶ月単位で、たまった「あれ?メモ」の中で複数回出てきた同じ「あれ?」を改善日として確保している1日を使って改善するようにしているとのことでした。
先週からユビキタス・キャプチャーを実践しているのですが、この職人さんからお聞きした極意「あれ?」をもう少し意識してメモしてみようと思っています。
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