"私のビル"を作りませんか?

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会社の私のデスクから、クルっと後ろを振り返ると目に入る建築中のビルがあります。このビル、私が現在の会社に転職するのと同じタイミングで建築が始まりました。

あれから3年。まだ更地だった頃から見続けていたビルが25階までできていました。計画では52階建てということなので、約半分の高さまで来たわけです。

なんとなーく気になって見続けてきた建築途中のビルですが、ハタと2つのことを思いました。
・1つ目は、こんなに一つのビルが建つのを意識して見続けたことがあっただろうか?
・2つ目は、半分まで建ったビルと同じ年月を過ごしてるワケだけど、私は少しは成長できたのだろうか?

いつも通っている通勤路、いつも見ている町並みなのに、ふと気づくと新しい建物、新しいお店ができていて、そこに以前は何があったか思い出せないという体験はありませんか?これらの体験は、いかに「日常」を気にとめていないかということの証明でしょう。

しかし、視点を変えて、そうした日常の風景の変化しつつある1カ所だけでも決めて定点観測していると、「目安」として使えるのではないかと思います。

私が見続けているビルの場合、自分と共に成長していくようなイメージで見続けていて、半分まで建ったことが「目安」となり、自分の3年を振り返る契機を与えてくれたという感じです。

ユビキタス・キャプチャーは時系列に一人称の情報を記録することが肝要ですが、瞬く間に過ぎ去っていく今を記録するのと同時に、変化しつつある日常の風景の1カ所に、自分専用のGoogleMapのピンを立てて、過去の風景、記憶などを引っ張り出す、振り返る目安にすることも、私みたいな記録することを忘れてしまいがちな者には有効な方法なのかなと思いました。

何かに急き立てられるかのように全力で走っている最中に、後ろを振り返ることはとても難しいことです。急激に過ぎていく時間の中、気づかないくらいじっくり、少しづつ、しかし確実に空に向かってニョキニョキと建っていくビルを意識的に目安として、過ぎていった時間を感じ、過去を振り返ることはたまには必要ではないでしょうか?

蛇足ですが、こうして過去に思いを馳せた後には、「このビルが完成する頃には「オレもこんな人間に成長したよ」とビルを見上げて(見下ろして?)言えるような人間になっていたいなぁ」と、半分まで建った"私のビル"を見上げながら少し前向きな元気を得られたりもします(笑)

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