反逆児の仕事術006ー反逆児は結果で語る

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
スポーツニュースを見ていると、どこか釈然としない不思議な言葉を聞くことがあります。それは、

「自分の相撲がとれませんでした」
「自分の野球ができませんでした」
「自分の柔道ができませんでした」…etc

という言葉です。要するに自分の思う通りの結果になったら「自分の○○」で、思うとおりでなかったら「あれは自分ではない」という非常に自分勝手なことを言っているわけです。しかも「○○」に入るのは、その職業であることが大半です。相撲取りが相撲が取れないと言っているわけですから「じゃぁ辞めなよ」と言いたいところです。野球選手しかり、柔道家しかり、「自分はプロではなく素人です」という非常に度胸のあるカミングアウトだとも取れます。それでメシを食っている人が軽々しく言って良い言葉だとは到底思えません。しかしこの一言でインタビューアーは簡単に納得してしまうのだからこれは魔法の言葉です。

それにしても、
その職に就くのにライセンスが必要な仕事は除きますが、一体いつから自分が今の仕事のプロになったか、皆さんはお分かりになりますか?
野球選手がドラフトを経てプロ球団に入って始めて「プロ野球選手」になるわけですから、私たちが入社試験を経て会社に入った時点で「プロサラリーマン」であると言うこともできるでしょう。しかし、入社1日目から「オレ、プロ!Yeah!」と思えるおめでたい思考回路を持つ人はそうはいないと思われます。それでも入社3年もすると「当社の顔としてお客様と相対しているんだ、我々はこの分野のプロなんだぞ!」などと言われるのです。

不思議なことに、別にライセンスが必要なわけでもないし、試験があるわけでもないのですが、いつも間にやら数年経つと自動的に「プロサラリーマン」にならされてしまうのです。「コンサルタント」なんて難しそうな仕事ですら、特別な資格が必要なわけではありません。それなのに堂々と他社の問題に介入してしようというのですから、本当に良い度胸をした人たちなんだろうと心底感心します。私のような小心者には勤まらない仕事であることは確かでしょう。

それはさておき、プロである証拠というのは何だろうと考えだすと、これは結構難しい問題です。単に社歴が長ければプロかと言えばそうとも言えません。社歴の長いダメダメな人が多いことは反逆児であれば、実感として良〜く理解できますよね?会社の規模も関係ないでしょう。小さな企業でもビックビジネスをやってのけている例は幾つもあります。暖簾だけという会社も昨今は多いですしね。野球選手は年俸がその選手のスゴサを測るものさしになっていますから年収でしょうか?何となくですが、年収が多い人が全員プロでもないでしょう。飛び込み営業で「私は年収1,500万円の男です」なんて言ったらぶっ飛ばされること間違いなしでしょうし。果たして、誰もが納得する「プロの証明書」なんてものがあるんでしょうか?

一方、プロじゃないことならすぐに証明できます。納期を守らなかったり、売上数字が赤だったりしたら、プロとはとても呼べません。実に簡単な話しです。やるべきことをやらなかったらプロではない。だとすれば、やるべきことをきっちりこなし目標通りの結果を出すことが、プロの最低条件と言えるかもしれません。

そうだとすれば、とりあえずは成し遂げた仕事の『結果・実績』で語るのが手っ取り早いということになります。反逆児が反逆児として反逆し続けるためには、結果の「正確さ」と「質」と「スピード」を厳しく追求し、絶えずアップデートし続ける必要があるのです。厳しいことです。冒頭の写真のような絶壁をよじ登るかのような道程です。反逆児をやるのも楽じゃありません。周囲から"ぐぅの音"も出させないくらいの気概で仕事をする必要があるでしょう。

とはいえ・・・人間ですから失敗することはあります。そんな瞬間が来たら、私は一度こう謝罪してみたいと思っています。



「自分のサラリーマンができませんでした」


と。周りがどういう反応をするか妄想しただけでハイになれる、反逆児らしい魅力的な謝罪の台詞だと思いませんか?プロスポーツ選手のようにサラッと使ってみたいものですね!軽くミスしてみようかなぁ。

0 コメント: