かなり前からなのですが、書店に行くたび、○○力という類の本があまりにも多すぎて気持ちが悪いと思っています。
知的生産力、読解力、集中力、速読力、情報収集力、情報整理力、裏読み力、勉強力、ノート力、メモ力、手帳力、企画力、文章力、手紙・メール力、雑談力、コミュニケーション力、人間関係力、交渉力、質問力、鈍感力、断る力、決定力、・・・etc
何でも「力」を付ければ良いってもんじゃね〜ぞ!と思いますし、「"力"を付ければ何でも売れるブーム」にしようと、出版界全体の談合でもあるんじゃないのかと邪推のひとつもしたくなります。何よりも"力"という字があるだけで、真夏の運動部の部室の臭いみたいな不快な暑苦しさを感じるのは私だけでしょうか?"生理的に"嫌なのかもしれません。男が使って良い言葉なのかどうかは知りませんが。言われた事がなくて良かったと思いますね。書いておいて何ですが。 おっと少々脱線しました。
『手帳力』なんてその最たるものではないでしょうか。手帳力って何でしょう?ダブルブッキングをしないようにスケジュール管理をしたり、アドレス帳に大切な顧客の連絡先を記しておいたり、やるべきことを忘れないように書き留める以上の"力"が手帳を使う上で何か必要でしょうか?
多分"力“をこれだけ広めた立役者は斉藤孝さんだと思いますが、斉藤さんの近著のタイトルが『大事なことは3つにまとめなさい!』であるということは何の冗談でしょう?斉藤先生、あれだけ大量の"○○力"を出版していながら、最後は3つにまとめろと!?是非、斉藤先生が残す3冊を知りたいものです。
それはさておき、仕事をする上で私の仕事に必要ない”力”も沢山あると思うのです。政治家に「裏読み力」は必要でしょうが、私には必要ありません。文筆業の人に「文章力」は必要でしょうが、私の仕事では名文を書く力が必要なわけではありません。インタビューアーに「質問力」は欠かせない力でしょうが、私の仕事で知恵比べのような質問をする必要は特にありません。
つまり、職業・職種が違えば必要な“力”も違ってしかるべきなのに、全ての○○力を万遍なく身につけていないと、もう仕事を続ける資格がないかのような煽り文句ばかりなのはオカシイと感じるわけです。マラソンランナーに遅筋だけでなく、速筋ももの凄い量がないと金メダルは取れないと言っているようなものとでも言いましょうか。そんな違和感です。
選択と集中という戦略が必要なように、”○○力”も自分の仕事に本当に必要な力は何か良く考え、選択し集中しないといけないのかもしれません。「知識はあるけど使えない人」若しくは「頭でっかちで動けない人」になってしまわないように、こういった”○○力”本との接し方はちょっと気をつける必要があるのではないかと思います。
(追記)
さて、ここで頭のフェイントに気づいていただけたでしょうか?そう、今求められているのは『選択力』なのです(笑)
1 コメント:
ホントに本屋に行くとテクニックやハウツーの本が溢れていて、1ヵ月前にはベストセラーだった物がすぐに消えて、また同じ人が本を出して、また読んで、でも決して仕事は楽に成らなくて。
結局人一人でできる事なんて、たかが知れてて、やっぱり人とのコラボレーションで無いと、まとまった事はできなきんじゃないかと思います。
そういう意味で、自分がどういう人間で在りたいかをまずはっきりさせた上なら、色んなテクニックを上手く使い分けられる様になるんじゃないかとは思います。
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