愛着品紹介002-桜の靴べら-

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両親に感謝していることは何?と問われたら、私はこう答えます。「子供の時分にとても良いお店に連れて行ってもらえたことです。」と。

デパートのレストランとかではありません。ホテルの最上階にあるお店だったり、赤坂や神楽坂の裏道をちょいと入ったところにある料亭だったり、市ヶ谷あたりの裏道に慎ましやかにある小料理屋さんだったり、カウンターにネタが並んでいない料金表もないお寿司屋さんといった、所謂一流のお店です。

子供であってもちゃんとジャケットを羽織り、革紐靴を履き、よそ行きの格好でお店に行くというのがとても好きでした。またそういった一流のお店は子供だからといってサービスの質や品を落とすようなことは絶対にせず、一人前の大人の男として扱ってもらえるので毎回、何とも誇らしい気持ちになったことを覚えています。

私は特に小料理屋さんや、料亭が好きで、なかでもお店を失礼する時のやり取りが大好きでした。上がり框に腰を下ろし、革の紐靴に足を入れようとすると、女将さんや女中さん、下足番の方が絶妙なタイミングで「どうぞ」と靴べらを渡してくれるのです。歴史のあるお店の靴べらは決まって長くてガッシリしていて、黒光りした木製で、とても滑らかにスルっと靴に足を納めてくれます。長年使い込まれた靴べらのもたらす、この官能的と言っても良い感触は筆舌に尽くしがたいと今でも私は思っています。

そんな経験があったので、「自分の家の玄関には素敵な靴べらを置きたい」と密かに決めていました。現在の住まいを購入した際、家内にその旨を話すと、「どうせなら絵になる靴べらを探しましょう」と言ってくれ、靴べら探しが始まりました。

方々を探し回った結果、茗荷谷にある木工屋さんでこの靴べらと出会いました。ひとりの職人さんの手作りであり、台座の球が愛らしく見た目に美しいこと、持ち手部分の作りも最小限で美しく艶めいていること、何より靴べらとしての滑らかな使い心地。使っている木は何ですか?と聞いたところ「桜」だと言います。毎朝・毎晩、自宅の玄関で見送ってくれ、お帰りと言ってくれるものが「桜」というのは、とっても贅沢なことに思えて即決しました。

以来、あくまでも控えめにいつもそこに居てくれて、特に帰宅した際は、毎回「ああ、いい景色だな」と日々の生活の中で一服の安らぎを味わわせてくれる、殺風景な我が家の玄関の"華”として毎日活躍してくれています。写真の通り、ウチの愛犬も結構好きみたいです(笑)

愛着品紹介001-OMEGA Seamaster PROFESSIONAL-

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11月5日は34歳(まだギリギリ四捨五入しても30歳代!)の誕生日だったのですが、@haTsh さんからとても素敵な本を紹介してもらいました。
この本に掲載されている品物は全て松浦氏の私物で、その私物のフォトに随筆が添えられています。品物に対する愛情、愛着がひしひしと伝わってくる名著でした。@haTshさん、素敵な誕生日プレゼント(?)をありがとうございます。

この本に触発されて、お粗末ながらも私の日々の愛着品を(不定期で)綴ってみるのも面白いかもしれないと思い、そんなものにも手を伸ばしてみることにしました。身の回りのモノを見直す契機になるかもしれませんしね。

【OMEGA Seamaster PROFESSIONAL】
最初に紹介するのは、ONの日のマストアイテム腕時計です。新卒で採用された会社で最初のボーナスをいただいた時に、祖父・祖母へちょっとしたプレゼントを持っていきました。そこの際、今は亡き祖父にこう聞かれました。
「Kazumotoはどういう人生を歩みたいんだい?お金持ちの人生を過ごしたいのか?それとも豊かな人生を過ごしたいのか?」
「うーん、どっちも捨てがたいよねぇ」
「どちらを選ぶかによって決まるけれど、お金持ちになりたいなら、とても良い財布を買いなさい。豊かな人生を選ぶのであれば、とても良い腕時計を買いなさい。」

何でかなぁと思いつつ尊敬する祖父の助言だったので、財布売り場、腕時計売り場を歩き、どっちにしようかしばらく迷っていました。後年、ひょんなことから、私の中の理想の男性像のひとつであるJames Bond(当時はピアーズ・ブロズナン)が映画の中で身につけている時計がOMEGA社のSeamasterであることを知り、ミーハーな私は、当時では明らかに背伸びしすぎで、とても高価なこの時計を大奮発して買うことに決めました。

その後、ペーペーの身でありながらも、この腕時計を見た年長のお客様は一様にこの時計に興味を示され、「祖父からアドバイスを受けたので」と答えると、皆さん大きく頷かれました。色々時計に関する蘊蓄を聞くことができたのも良い経験です。

その中でも、一人忘れられないお言葉をいただいた方がいらっしゃいます。某企業の社長さんなのですが。「非常に含蓄のある助言だと思うね。それはね、豊かな人生を送る秘訣は時間を大切にすることが肝要だからなんだよ。逆に真のお金持ちというものは、財布を大事にするというのもまた本当だよ。お金は大事に扱われたがるからね。でも財布ではなく時計を選んだということは君の今後の重要な指針になるはずだから、その時計を見るたびお祖父様がおっしゃられた意味を思い出して良く考えるようにしなさい。」

最初の選択を誤ったからか、お金持ちにはなれていませんが、時間を大切にした結果、若干谷はありましたが、夫婦円満で、たくさん笑っていられる豊かな人生を過ごせているのは、この時計を選択したおかげなのかなと思います。代替わりしたJames Bond(ダニエル・クレイグ)も、OMEGAのSeamaster−デザインは少し変わりましたが−を愛用していることからも、この時計はどんな場で身につけていても恥ずかしくない、私が所有している中では数少ない"本物"のひとつだと、祖父の助言に感謝しつつ、密かに誇りに思っています。

これはLifeHackなのかな?ーアテンションカードの紹介ー

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今日のシゴタノに掲載された佐々木正悟さんの記事を読んで、反射的にエントリー。

どこに反応したかというと、
“人との約束をスケジュール。期限付きのタスクは、外部ツール。そこまでは容易です。しかし、たとえば「今度から人と会うときには名刺を持つようにする」というのはタスクでしょうか? タスクでないなら、なんでしょう? ミッションでしょうか。心がけでしょうか。

この部分です。
私自身は毎朝、普通の事として行っているので、これがLifeHackなのか、そもそもこの佐々木さんの問いかけに対する答えになるのかどうか非常に怪しいのですが、『アテンションカード』と私が呼んでいるものがあります。(単にこの方が格好良さそうだからそう呼んでるだけ(笑))

何をするカードなのかというと、先般のエントリーで書いたとおり、私の仕事はルーチンワークが多いのですが、その中でも「あれを先に準備しておけばラク」とか「定例の会議だからプロジェクター準備しとかなきゃ」とか毎週木曜日は通院日なので「病院のカードと保険証を持って行く」とか、つい忘れがちな些細な注意点を書いているカードです。ちなみにカードは名刺サイズのコレクトの情報カードを使ってます。↓こんな感じです。

これらのカードの使い方は以下の通り。
  1. 毎朝スケジュールを確認するのと同時にその曜日のカードに目を通す
  2. その曜日のカードはモレスキンのポケットに入れて出社
  3. 会社のPCの起動待ちの間にカードをデスクマットの下に並べる
  4. 帰宅したら、所定のNEWの所に挿入
  5. 毎週金曜日の夜、週次レビューの際にNEWを所定の曜日に挿入。
     習慣化したのは削除する。
これだけです。会社ではデスクマットの下に並べているので、イヤでも目に入ります。呼び名(勝手な命名ですが)の通り、私に注意を促すためだけのカードです。

タスクじゃないし、ミッションでもないし、心がけでもないし、単なる注意した方が良い事項を忘れないようにするために毎朝必ずやっています。私にとってはうっかりミス防止の工夫です。カードだとズラッと並べられて俯瞰できるし、習慣化したものは捨てればOK。意外に応用が利くので私は重宝してます。佐々木さんの記事を読んで、もしやこのやり方って他の人にも使える技なのかもしれないと思った次第です。

先日@nijinochichiさんのブログ「Ideas 4 Life」で「具体的なことをシェアすること」についての記事(僭越ながら私の例を取り上げていただきました。感謝!)がありましたので、このちょっとしたやり方も何かの役に立てれば幸いです。

Michael Jacksonの最後の授業。それは『Professionalの仕事』

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昨晩、レイトショーでMichael Jacksonの「THIS IS IT」を観てきました。終わった後にスタンディングオベーションが自然と起こった映画は生まれて初めての体験でした。

そこに居たMJはリハですからきっと歌声は6割、ダンスは5割くらいに意識的にセーブして練習しているように思いますが、それでも『圧倒的』です。そこに手抜きはありません。近年は、ゴシップ、裁判沙汰、奇行、興味本位もしくは金銭目的でプライベートもズタボロにされていたことを知らない人はいないでしょう。「Michaelは終わった」「Michaelは過去の人だ」「Michaelと言ったら整形と奇行」「今のMichaelが歌えて踊れると本当に思えるか?」等々、様々な報道が在りましたが、この作品を観れば、そういった発言をした人は恥じ入ることでしょう。セーブしていながら、これほどまでに圧倒的な歌声、50歳とは思えぬ圧倒的なダンス・・・この人は本当に亡くなってしまったのか??開始から本当に涙が止まりませんでした。きっとこの作品の音楽的な部分は多くのメディア・ブログに書かれるでしょうから、少し違った視点でこの作品を観てみることにします。

私は、1987年9月13日(当時12才)Badツアー・1988年12月24日(当時14才)Badツアー・1992年12月24日と31日(当時18才)DANGEROUSツアー・1996年12月15日(当時22才)HIStoryツアーとおそらくMJが来日したツアーはほぼ全て行っています。思い返せば1987年のBadツアーは私が人生で初めて行ったコンサートでした。私は最初に行ったコンサートで、世界最高のステージを観ることができた幸運な人間とも言えます。最初にBadツアーを観てから私の中でMJは別格の存在でした。私の中では、スーパースターといえばMJ以外にいません。MJのステージ映像、ショートフィルム・・・入手できる限りの映像を観てきましたが、ステージを作る舞台裏の映像は殆ど皆無だったはずです。MJがどういう姿勢で、態度で、ステージを作っていくのか?この映画はMJの仕事ぶり観ることができる貴重な映像です。

完璧主義者と言われていたMJですが、本当にその通りで、テンポ、リズム、無音状態の時の秒数、余韻の残し方、観客をどこで煽り、どこで焦らし、どこで陶酔させるのか、全てを丁寧に、微に入り細に入り、妥協無く作り込んでいきます。ネタバレしない程度に一部のシーンを取り上げます。キーボード担当との打ち合わせの際、「テンポが早い」「もっとじっくりと」と本当に細かく細かく何度も何度も要求するシーンがありました。イメージが伝わらない共有できないもどかしい所です。厳しい口調で高圧的に言うこともできたでしょう。しかしMJはそうしませんでした。口調はあくまでも穏やかで、一緒にベストなステージを作りたいという情熱を込め丁寧にイメージする音を言語化し伝えようとします。キーボード担当もその情熱に応えるべく、何度も何度も繰り返し、「マイケルにしかそのイメージはわからない。もっと具体的に言ってくれ」と食い下がります。結果、確かに素人が聞いても最初よりも良い演奏、MJらしい豊かな音になります。数々の有名アーティストと競演してきた天才ギタリスト、オリアンティですら同様です。彼女の渾身の演奏を「もっと高音を!ここは君の見せ場だ!」とより高い次元、素人が聞いても圧倒的な演奏へと一段階も二段階も上に引き上げます。ダンサーも皆、超一流ですが「Billie Jean」では子供のように目をキラキラさせ、MJのダンスを目に焼き付けた後のパフォーマンスでは更なる高みのダンスを観せてくれるようになります。

「真のProfessinalの仕事とは、全体を俯瞰しつつ、細部にまで目を行き届かせること。周囲の人間には「愛」を持って接し、丁寧に熱心に、忍耐強く接すること。諫言には謙虚に耳を傾け、自分が先頭に立って未知なる領域を切り開き、そしてその未知の領域に全員を連れて行くものだ」と全ての仕事に通じるProfessionalのあるべき姿勢を、映像を通じて身をもって教えられました。そんじょそこらの自己啓発書を読むより、この映画を観た方がよっぽど”仕事”というものを見つめ直せるのではないかとさえ思いました。

何よりも、児童虐待裁判の際、全世界が敵に回ったような、一般人には想像すらできない壮絶な苦境を経験し、多くのバッシングを浴び、プライベートを踏みにじられ、心がズタズタに踏み荒らされたはずのMJは最後まで「L.O.V.E LOVE」と全世界に、全世界の人々にこのメッセージを発信することを止めませんでした。それどころか「全世界の人々に感謝している」とさえ言います。そんな私たちとは全く別の次元の本当の意味で豊かでどこまでも懐の深い、素晴らしい人間性とその魂を持つMJを私は心から尊敬します。彼のような不世出な傑物、真のスーパースターはもう二度と現れないでしょう。私たちは彼が実現したかった世界、いつも歌を通じて、ダンスを通じて表現していた、人間のあるべき世界を実現するべく、小さくても確かな前進を続けていく必要があると思います。彼のように全世界に影響を与えることはできなくとも、一人一人ができることが何かあるはずです。

@haTshさんとの約束なので、超個人的MJベスト10を書いておきます。
  1. MAN IN THE MIRROR
  2. KEEP THE FAITH
  3. ON THE LINE
  4. SOMEONE PUT YOUR HAND OUT
  5. THEY DON'T CARE ABOUT US
  6. SCREAM
  7. GHOSTS
  8. JAM
  9. EARTH SONG
  10. BLACK OR WHITE
番外(^^;):WE ARE THE WORLD(DEMO)

MJの曲は全部大好きで、特にアルバム「DANGEROUS」には個人的に格別な思いがありますが、このところのヘビーチューンは上記の曲です。

この映画、通しリハの映像はないのかな?あるんだったら映画館で静かに観るんじゃなくて、武道館とかドームとかで叫びながら観たい!!

最後に、非常におこがましいけど、MJの3人の子供たちへ一言。
「君たちのお父さんは間違いなく素晴らしく美しい魂を持った偉大な人物でした。
このステージは君たちへ向けたお父さんの最後の授業だと思います。
お父さんの偉大さに押しつぶされることなく、堂々と前を向いて歩いていってください。」

"私のビル"を作りませんか?

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会社の私のデスクから、クルっと後ろを振り返ると目に入る建築中のビルがあります。このビル、私が現在の会社に転職するのと同じタイミングで建築が始まりました。

あれから3年。まだ更地だった頃から見続けていたビルが25階までできていました。計画では52階建てということなので、約半分の高さまで来たわけです。

なんとなーく気になって見続けてきた建築途中のビルですが、ハタと2つのことを思いました。
・1つ目は、こんなに一つのビルが建つのを意識して見続けたことがあっただろうか?
・2つ目は、半分まで建ったビルと同じ年月を過ごしてるワケだけど、私は少しは成長できたのだろうか?

いつも通っている通勤路、いつも見ている町並みなのに、ふと気づくと新しい建物、新しいお店ができていて、そこに以前は何があったか思い出せないという体験はありませんか?これらの体験は、いかに「日常」を気にとめていないかということの証明でしょう。

しかし、視点を変えて、そうした日常の風景の変化しつつある1カ所だけでも決めて定点観測していると、「目安」として使えるのではないかと思います。

私が見続けているビルの場合、自分と共に成長していくようなイメージで見続けていて、半分まで建ったことが「目安」となり、自分の3年を振り返る契機を与えてくれたという感じです。

ユビキタス・キャプチャーは時系列に一人称の情報を記録することが肝要ですが、瞬く間に過ぎ去っていく今を記録するのと同時に、変化しつつある日常の風景の1カ所に、自分専用のGoogleMapのピンを立てて、過去の風景、記憶などを引っ張り出す、振り返る目安にすることも、私みたいな記録することを忘れてしまいがちな者には有効な方法なのかなと思いました。

何かに急き立てられるかのように全力で走っている最中に、後ろを振り返ることはとても難しいことです。急激に過ぎていく時間の中、気づかないくらいじっくり、少しづつ、しかし確実に空に向かってニョキニョキと建っていくビルを意識的に目安として、過ぎていった時間を感じ、過去を振り返ることはたまには必要ではないでしょうか?

蛇足ですが、こうして過去に思いを馳せた後には、「このビルが完成する頃には「オレもこんな人間に成長したよ」とビルを見上げて(見下ろして?)言えるような人間になっていたいなぁ」と、半分まで建った"私のビル"を見上げながら少し前向きな元気を得られたりもします(笑)

本当に優れたデザインは「MoMA」より「商店街」にある

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Twitterで、@m0r1さんにモレスキン手帳の世界巡回展「Detour・東京」が表参道のMoMA Design Storeで開催されていると教えていただいたので、早速行ってきました。

展示そのものは意外に小ぶりなものだったのですが、私が知らず知らずに作っていたノートの描き方の常識みたいなものをぶち破ってくれて、ノートはもっともっと大胆に使って良いんだ!ノートって懐の深い製品だなぁと思える内容でした。正直、アート作品になっているのは全く意図が分からないものもありましたけどね(^^;)

しかし、展示会を見終わって、MoMA Design Storeで販売されている雑貨、文具、家具などを見ている内に、どうも違和感を覚えました。その違和感が一体何なのか?決定的だったのはコレです。
クリッピオーラ スパイラル ペーパークリップ

何だかわかりますか?これオフィスを掃除したら必ず一個は吸い込むと言われる(?)あのゼムクリップですよね?なんで、ゼムクリップをスパイラル型にした"だけ"で1,260円もするんでしょう?その"だけ"の部分がデザインであって、そこに付加価値が生じるというのは理解できるんですが、私の価値判断基準「使うときに100%の性能を発揮できるか?」に照らし合わせると、高価すぎて日常業務で意識せずに使える物ではありません。故にこの製品は「使えない」のです。

そうやって見てみると、確かに見た目が素敵だったり、持っていたら気持ちいいだろうというものは多くありますが、実戦で躊躇無く使い倒せるもの(価格も含めて)が殆ど無いのです。

実は小山龍介さんと土橋正さんが書かれた『STATIONERY HACKS!』を読み終わった後にも同じコトを感じました。使っていて気持ちの良い、気分良く仕事ができそうなおしゃれな文具がわんさか紹介されていますが、これらは、いつでもどこでも入手可能なのかな?と思える物も散見されたからです。

学生時代バイト先の法律事務所が標準採用していたエセルテ社のファイルが日本で入手できない時がありました。これはエセルテジャパンが撤退?したことが原因のようなのですが、エセルテで統一していた法律事務所の職員一同、非常に困ったことがあります。海外のステーショナリーを紹介するのは良いんですが、いざ追加や導入をしたいと思った時に買えないようではいけないのではないかと思うのです。

優れた道具とは容赦ない酷使に耐えられ、いつでもその性能を100%発揮してくれ、入手が手軽なものだと私は思います。さらに突っ込んで優れたデザインとは、いつでも手軽に安価で入手可能でありながら、どれだけヒドイ扱いを受けても、酷使されても、いつでもしっかり性能を発揮してくれる『デザイン』であるべきだろうと思うのです。

卑近な具体例を挙げると、三菱のPOWER TANKなんて屋外でも風呂場でも上向きでも書ける油性ボールペンが210円で手に入るという事実の方が凄いくない?ということです。どれだけ見た目がカッコ良くても風呂場で書きたい!という欲求に応えられなければ失格だし、寝たきりの状態の時に上向きで書きたいという欲求に応えられなければダメだと思うのです。でなければデザインじゃないんじゃないでしょうか?

フェラーリとカローラを同じ土俵で評価するのは難しいのと同じ難しさがあるとは思うのですが、より多くの人のニーズに確実に応えられるデザインはカローラの方だろうと思います。だからこそMoMAのようなデザインの権威のような機関はは、もっと日常に近いモノをクローズアップしてくれると、見慣れた日常の見え方がまた変わってくるだろうになぁと思います。

極論ですが優れたデザインを見たければ「MoMA」ではなく「商店街」の方が良いのかもしれません。商店街にある文房具店にも、鞄屋にも、家具屋にも、金物屋にも、日常に密着し過ぎていて意識せずに使っているが故に、見落としている(埋もれている)優れたデザインが沢山あるのではないかと思います。

とは言え、モレスキンはちょっと高価ですが、職場でアセトンをかけてしまっても(その時は少し溶けました)問題ないタフさがあり、私には無くてはならない製品として愛用していますし、(とても買えませんが)柳宗理も、イサム・ノグチも、ヤコブセンも、イームズも大好きです。当然、車も「一番乗ってみたい車は何?」と言われれば即座に「アストン・マーティン!」と答えますけどね(笑)あれ?結論としては、結局貧乏人のひがみなのか??(笑)

「iPhoneって何ができるの?」「ん?答えはコレに全部書いてあるよ」ー感想:iPhone情報整理術-

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※ネタバレはありませんのでご安心を。

もはや日本のライフハック界5本の指に入るであろうお二人、[Lifehackng.jp]の堀正岳さんと[ライフハックス心理学]の佐々木正悟さんがタッグを組まれて書かれた『iPhone情報整理術 ~あなたを情報’’強者’’に変える57の活用法!(デジタル仕事術シリーズ)』のテスト販売分を何とかゲットできて、一気に読み終えたので、一読した後の感想をこれまた一気に書きます(一気なので誤字脱字、至らない点はご容赦を)。

私は3GSが発売されてからのiPhoneユーザーですので、まだまだド素人の域を出ませんが、それでもiPhoneが生活の一部になっていくに従って明らかに「情報」というものに関する身構え方が変わりました。

例えば「数字」。売上・粗利・粗利率・原価率・良品率・不良率・在庫数・仕掛品数などなど、仕事には数字がついて回りますし、給料・家賃・食費・光熱費などなど生活にも数字がついて回ります。

私は文系出なので(と言い訳)こういった数字を頭に留めておくことがものすごく苦手です。自慢じゃないけど2桁になったら暗算出来ない自信があります(マジ)。その為「そのくらいの数字は覚えておけ!」と怒られる有様だったのですが、iPhoneが来てから数字にまつわるデータは全てiPhoneに突っ込んで、即座にその数字を確認できるようになったことで数字アレルギーは軽減され、無駄なストレスがなくなりました。また、生活面でも自分が使った金額はレシートを写真で撮っておいて、帰宅後写真を見ながらゆっくり自分の無駄づかいっぷりを反省することにより、だいぶ出費が減りました(笑)

この本の多くのページを割かれているのが「iPhoneに記憶や記録は"え?ここまで?"と思えるくらいに全て任せて、人間は純粋に人間にしかできないことをやろうよ」という部分です。しかしその他多くのビジネス書と一線を画すと思うのが、あらゆるビジネスパーソンに対して"フェア”だという点です。つまり佐々木正悟さんの前著『仕事脳を強化する記憶HACKS(ハック) ~ITツールを駆使して”第2の脳”を使いこなせ! (デジタル仕事術シリーズ)』と同様、「使えるところは使ってね」という姿勢でありながら、出来る限り多くの仕事の形をフォローできるよう幅広く例を挙げてくれています。

私のような多くの薬品を使ったりする仕事だと、全部が全部iPhoneがあれば解決さ!とはいかないのですが、「デジタルを追求するとその影としてアナログの必要性が高まります」としてノートとの併用の効果に関しても多くのページを割いてくれています。(この部分を読んで、薬品を使うときはノートに書き込んで、後でSCANすればいいじゃん!と我ながら何で今まで気づかなかった?と思えるような使い方を発見できました。バカですなぁ。)

また、仕事だけに留まらず、本棚の整理で困ってない?クローゼットの整理はどう?体重管理とか睡眠時間管理とか困ってない?という感じでiPhoneが私たちの普段の生活にも色々な手助けになってくれることを1章丸々割いて言及してくれています。

ですので、今iPhoneを使っていない人でも、情報というものとの付き合い方の手段が多角的に学べるという意味でこの本は有益だろうと思いますし、iPhoneユーザーであればもはや必読。きっと「ああ、こういうシーンでも使えるなァ」と思える点がいくつも出てくると思います。またiPhone買おうかどうしようか?と悩んでいる人なら、本屋でこの本を立ち読みしてたはずが、気づいたらSoftbankショップで契約書にサインをしているところだったということになるでしょう(笑)

掌にこれほど多くの情報(もはやありとあらゆる記録)を持って歩けるなんてすごいじゃないか!改めてそう思わずにはいられません。同時にこうして自由になった脳を何に使うのかが今度は重要だとも思います。どうせなら地球温暖化や少子高齢化、飢餓の撲滅、核の根絶など、今はスケールが大きすぎてイメージもできないようなことに、少しでも関与していくことができるような高い次元に使えたらいいなぁと読了後に何だか爽やかな夢みたいなものを抱かせてもらいました。