Blog「感じ通信」に「家電量販店」というエントリーが掲載され、家電量販店の店員の対応を熟考していらっしゃいました。共感する点ばかりだったので、反射的にエントリーします。
実はこの内容とほぼ同じことを年始に家内と話していてひとつのキーワードが浮かびました。それが『本番共有力』です。
具体例を挙げると、家内は仕事用の服を23区とかINEDやCOPE DE CHANCEなどで物色する(私は付き合わされる)のですが、このところINEDばかりになってきました。理由は店員さんの応対がとても気持ちの良いものだから。
では、どういう仕草が気持ちよく感じるのか。柳原加奈子さんの芸ではありませんが「今年の流行で~」とか「良~くお似合いですぅ」とか「すごい売れてるんですぅ」等のセールスポイントを一方的に捲くし立てられるのは私たちにとっては正直ゲンナリする以外の何物でもありません。
そこへ来るとINEDで贔屓にしている店員さんはまずこう言います。
「どのようなシーンでお召しになられるものをお探しですか?」
普段着を探しているのか、重要な仕事の席で着るものなのか、外出が多いのか、室内での仕事が多いのか、座っている時の姿が綺麗に見えるものを探しているのか、立ち姿が綺麗に見えるものを探しているのか。とにかくこちらが考えている利用シーンをじっくりヒアリングして、初めて「では、こちらなどはどうでしょう?」と薦めてきてくれるのです。当然試着した際も、そのシーンに合うように座り姿重視であれば椅子を用意してくれますし、立ち姿であれば、大きい鏡の前に案内し、実際に歩いている姿を確認できるように段取りをしてくれます。(で、その姿を家内があとで確認できるようiPhoneで撮影させられる私・・・)
これは、何もB to Cだけの話ではなく、B to Bでも同じことでしょう。「客の立場になって考えろ」とはどこの会社でも言われていますが、その奥義の一つが『本番共有力』だと私は思っています。客と一緒に利用シーンを共有し、どういうものであればそのシーンで使えるか、例に挙げた洋服であれば利用シーンにふさわしく、着ている本人の魅力を引き出すものなのかを共に模索していくこと。これが客の立場になって考えることに他ならないと思うのです。
何も商品の安さだけがセールスポイントではないはずです。正直、同じようなスカートが23区にあって、そちらが安かったとしても”気持ちよく買えるから”家内はINEDを選んでいます。私も豊富な商品知識があり、こちらの要望を満たすものを一緒に探してくれるお店を贔屓します。なによりこうした接客を常とする店員さんからは「金の臭い」がしないのです。客を見たらカモがネギを背負って来たとばかり、如何に買わせるかという商売っ気オーラ全開で接客されても逃げ口上を考えるようになってしまうのに。
接客のみならず、友達と話をしているとき、同僚と話をしているときに、この点を少し注意するだけでグンっと距離が縮まると思います。
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