「能率」と「効率」どっちを重視すれば良いのか?

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今回の疑問もR-styleの倉下さんに見事に解決していただけました。いつもありがとうございます!

他人と仕事の話をしていても、どうも噛み合わないという経験はありませんか?それは概ね使っている言葉の定義のズレに原因があることが多いように感じます。例えば「返却日」という言葉を考えて見ましょう。これを倉庫に着荷する日とするのか、倉庫へ発送する日とするのか、たったこれだけの捉え方の違いで「1日」ズレてしまい、大いにもめる場合もあるわけです。ですから、私は「どうも噛み合わないなぁ」と感じたら、すぐに図に描いて定義を共有するように、心がけています。

さて、そういった言葉の定義ですが、ちょっと悩ましい問題があります。それはタイトルどおり「能率」と「効率」とは何が違うのか?という問題です。「どっちだっていいじゃん!そんなの!?」と言われてしまえばそれまでなのですが、「効率を上げろ!」と言われるのと「能率を上げろ!」と言われるのでは感じ方が違うと思いませんか?
辞書を引く前に、私のイメージでは「能率」は、より頭を使った業務に、「効率」は、作業そのものと言う感じ、今風に言えば「能率=知的労働」「効率=単純作業」みたいなイメージを持ちます。

もうちょっと、論理的?に、帰納法的に言葉の意味を考えてみると、「日本能率協会」「産業能率大学」「能率手帳」などは有名ですが、「日本効率協会」「産業効率大学」「効率手帳」などは聞いたことがありません。一方、「エネルギー効率」「業務の効率化」「効率アップ」とは言うけれど、「エネルギー能率」とは言わないし、能率をここで使う例はゼロではないけど、検索してもヒット数は全然違うでしょう。そういう意味では、何となく似ているので、どちらも使う事もあるし、混同されている事もあるし、違った意味で使う事もあるということになりそうです。

帰納法がきたら、演繹法ということで、演繹法的に考えた場合、そもそも効率も能率も「率」という物理で使われている言葉が使われているので、物理的用語なのでしょう。ただ、「率」というからには、分母と分子があるのだろうと思われます。

さて正解を見てみましょう。手元の国語辞典(旺文社 国語辞典[第八版])で引いてみますと…

「効率」
①得られた成果に対して費やした労力や時間の割合。
②機会によってなされた仕事の量と、それに使われたエネルギー量との比。

なるほど。物理学的に言えば、「入力と出力との比率」ということでしょうか。使った労力に対して、どれほどのアウトプットがあったかという事が、効率の一般的な定義と言ってよいでしょう。

「能率」
①一定の時間内にすることのできる仕事の割合。仕事のはかどり具合。
②〔物〕モーメント

とのことです。はぁ?モーメントってなんだろ?で、理系出身者に聞いてみたところ、モーメントとは、『定点に関するある量の効果を示すために、定点からその量までの距離をその量に掛けたもの。力の回転の効果は力のモーメント、運動量の効果は運動量のモーメント(角運動量)などで表す』だそうです。

文系にわかるか!ボケ!ということで、「もっとわかりやすく!」を連発して聞いて理解できた範囲では、とどのつまりは、距離×力のことで角運動量のこと。私には角というのが良くわかんないから、大雑把に「運動量」のことであって、「比率」に関する用語ではないとのこと。

じゃぁ、なんで比率に関する用語ではないのに「能率」と「率」とされているのかは依然として不明です。ご存じの方があれば教えてください。

少なくとも「効率」と「能率」は何かが違うようです。しかし、英語ではどうなんだろ?と思ったので、手元の三省堂「EXCEED和英辞典」で調べてみると、どちらも「efficiency」となっています。どういうことなのでしょうか?

勝間和代さんのベストセラー本『効率が10倍アップする新・知的生産術』は何故「能率が10倍アップする新・知的生産術」ではないのでしょうか?なぜ『能率手帳』は「効率手帳」ではないのでしょうか?

仕事を達成する為に重視すべきは「効率」なのでしょうか?「能率」なのでしょうか?人生の目的を達成する為だとしたらどちらを重視すべきなのでしょうか?これ微妙な違いですけど、意外と重要なことかもしれません。勘ですけどww

皆さんは「能率」と「効率」どちらに力点を置いて、仕事をしていますか?人生の力点をどちらに置いていますか?

私のような者にもわかる解説ができる方!コメント欄でも、Twitterでも結構です、是非教えてください!!

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3 コメント:

nakashimasi さんのコメント...

発達理論の「同化」と「調節」を思い出しました。

これをベースとして考えると、身の回りの環境、道具を変え生産性を上げるのが同化であり効率化、自分自身の能力を上げることで生産性を上げるのが調節であり能率化に繋がるのではないでしょうか。

私は設計図を書くのが仕事なのですが、昔の手書きに比べ、CADを使うようになりそのスピードは格段に上がりました。
しかし、従来のやり方を変え、新しい手法に慣れるのには相当な時間と労力が必要でした。

>仕事を達成する為に重視すべきは「効率」なのでしょうか?「能率」なのでしょうか?

この問いですが、どちらかだけと言うわけではなく、常に同化(効率化)と調節(能率化)を繰り返しながら個としての生産性を上げ、人として成長していくことが必要なのではないでしょうか。

nokiba さんのコメント...

つぶやくつもりだったんですけど、140字ではほど遠いのでこちらに。

この違いを考えると、「効力」と「能力」の違いが背景にあるように思います。「効力」は主体が「薬」や考え方など「人以外のもの」で、「能力」はふつう「人」が主体でしょう。

ですから「効率」とは、成果をモロモロの「コスト」で割ったもの。「能率」とは成果を「人の労力」で割ったもの、というイメージではないでしょうか。だから、能率給という言葉はあっても、効率給はないと思います。

・効率アップというと、なんにせよ、コストあたりの生産性が向上した(主に時間)→人はがんばらないでも

・能率アップというと、「人の能力・労力」辺りの生産性がアップした→人ががんばった

効能という言葉があるように、両者はまぎれもなくかぶっているところのある概念ですが、違いはあまり考えませんでした。面白い記事でした。ありがとうございます。

Shinya さんのコメント...

面白い問題ですね。確かに皆んな混同して使っているけれど、それぞれの人は何を求められているかはわかっているような気がします。
おっしゃるように英語では同じ単語であるように、「効率」と「能率」は、車の両輪だと思います。どちらが無くてもだめで、両方ともバランス良く回らないと、おかしな方向に行ってしまいます。
仕事で言えば、雑務は効率的に片付けて、重要な仕事の能率が上がるよう時間を空ける。重要な仕事の能率を上げるためには、効率的にリソース(既存のデータ・資料の流用、チームメンバーの協力、IT・ツールなど)を使う。日々の生活でも、仕事を効率的に片付けて、早く帰宅してプライベートの生活のレベル(能率)を上げる。プライベートで自己啓発や効率化の研究によって、仕事の効率が上がる。
しかし、効率化ばかりに走ると、基本と正道がおざなりになり、法に触れるようなこともやってしまう。能率化を目指してあれもこれも身につけようとすると、結局何も身につかないでカツマー脱落者になってしまう。
やっぱり、両方のタイヤがバランスよく回って、まっすぐ走れるように調整して行く意識が大事だと思います。